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続・増える環境過敏症(4)Q&A 生活習慣見直す必要も
 

ふくずみアレルギー科院長 吹角隆之(ふくずみ・たかゆき)さん
 信州大学医学部卒。大阪府立羽曳野病院アレルギー皮膚科を経て、2003年から現職。日本アレルギー学会認定専門医。 ――化学物質や電磁波が、なぜ体に影響するのでしょうか。

 「詳しくは解明されていませんが、刺激に敏感な人がいるのは確かです。悪化すると、自律神経や内分泌のバランスが乱れ、だるさや不眠症状が表れたり、免疫力の低下で感染症にかかり、微熱やせき、頭痛が続いたりします。ただ、過敏症の原因は化学物質や電磁波だけではありません」

 ――ほかにどんな原因があるのですか。

 「ストレス、睡眠不足、ダニやカビ、重金属、栄養の偏り、運動不足、大気汚染、ウイルス・細菌など、様々な原因が積み重なって発症します。体質を風呂おけに例えると、化学物質や電磁波、ストレスなどの『蛇口』から風呂おけに注がれる水が、容量を超えてあふれると過敏症になります。アレルギー体質の人はもともと風呂おけが小さく、あふれやすいのです」

 ――治療できますか。

 「化学物質や電磁波の少ない環境でしばらく過ごし、食生活や運動、睡眠など生活習慣を見直す必要があります。携帯電話の電磁波は避けられなくても、『別の蛇口』を閉めることで体調を崩しにくくなります」

 ――吹角さんも過敏症を体験したのですね。

 「1993年に新築した家の建材に、今は規制対象の化学物質が多量に使われ、慢性的な気管支炎に悩まされました。やがて妻にもひどいぜんそく症状が表れたため、家を離れました」

 「妻は米国で専門治療を受け、回復しました。体内に蓄積した水銀などの物質を解毒剤で排出し、無添加食品や適度な運動で体調を立て直す方法です。私は、この時に米国で学んだ方法をもとに、試行錯誤を重ねて治療にあたっています」

 ――化学物質過敏症に効く薬はあるのですか。

 「薬も化学物質ですから、安易に使うと体調悪化の恐れがありますが、解毒剤やビタミン剤だけでも良くなるケースはあります。過敏症が長引くと、うつ病や不安障害を合併する場合があり、少量の抗うつ薬や抗不安薬が劇的に過敏症を改善することもあります」

――過敏症患者の何割が回復しますか。

 「私は約1500人を治療しましたが、そのほとんどは、元の健康な状態に戻るか、多少の症状はあっても、日常生活をほぼ問題なく送れるまでに回復しました。非常に重い症状が続く人は1割以下です」

 「化学物質過敏症は、たばこ、洗剤、消臭剤など、体調悪化の原因が次々と増えていきます。でも、においに敏感になり過ぎると影響をより強く受けてしまう。においを感じた時、すぐに症状と結びつけて考えず、ほかのことに意識をそらすコツを身につけると、回復が早まります」

 「過敏症は治る病気ですが、対応できる医療施設は少なく、病院特有のにおいが耐えられずに受診すらできない人もいます。過敏症に配慮した医療施設を早急に増やす必要があります」(佐藤光展)

(2011年11月23日 読売新聞)

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